ものすごい機能だがフリーの3DCGソフト Blender。
だれでも無料で使える反面、明確な動作推奨スペックは特に無い。そのため、いまいち推奨マシンが解らない。
Ver 2.93LTSが出た記念として、どれだけやったら落ちるのか。低スペックPCで限界を探ってみた。
前回の続き
Blender2.93LTS 古いマシンどこまでやったら落ちるのか検証 頂点数編
動作環境 設定等
ほぼ、10年前の最強スペックに相当するマシンを用意。
- CPU
Intel core i7 3770(Ivy Bridge) - メモリ
DDR3-1600 32GB - OS
windows 10 - ストレージ
Intel SSD(SATA) - グラボ
GeForce GTX 750 Ti(GDDR5 2GB) - Blender
Ver2.93.1 日本語 - ディスプレイ解像度
フルHD(1920×1080)
オブジェクトは前回と同じく、10000個複製したスザンヌを使用。
レンダーの設定
デフォルトから以下のように変更する。
このあたりにある・・・
- レンダープロパティ>サンプリング>レンダーを8、ビューポートを1
落ちてるのか待機中なのか解らなくなるため - レンダープロパティ>スクリーンスペース反射をオン、屈折オン、半解像度トレースオン、他デフォルト
反射に必要※ - オブジェクトデータプロパティ(カメラ)>範囲の終了>1000m
カメラに映る範囲を調整する - 上端が水平位置になるようにカメラを移動
できるだけ負荷をかけるため(焦点距離はデフォの50mm) - 環境光は デフォのforest.exrをノード接続
これをやるとリアルさ増(参考過去記事)
※EEVEEはデフォルトでは反射効果が出ない。個別の設定が必要(ただしスクリーンスペース反射なので、スクリーンに映らない裏側は反射しない)。
スザンヌを鏡面化
以下の超シンプルなマテリアルを割り当てる。
プリンシプルBSDF>メタリックを1、粗さを0.1
この状態でレンダープレビューモードに切替、視点移動(中ボタンドラッグ)をするとフレームレートがかなり落ちてる(動きが固い)が、まだ許容できる範囲。
レンダーは・・・2.52秒。EEVEE、けっこういける。
ただし、スクリーンスペース反射のみだと不自然であり、実用性が無いため以下の設定を追加して検証。
ライトプローブを追加
オブジェクトを追加するのと同じノリにて、ライトプローブを追加する。
このあたりにある・・・
追加>ライトプローブ>反射平面>拡大(全スザンヌをカバーするサイズ、今回は400m)>スザンヌの下に敷く
結果、あまり重くはならなかった。
アルミホイルで包む
以下のようにノードを接続し、アルミホイルっぽくしてみた。
バンプとミックスを調整すると、アルミ玉~ガスレンジの遮熱板くらいまで、アルミ感を可変できる。
レンダーは10秒超え。
レンダープレビューモードでの視点移動は2FPSくらいしか出ない。限界突破感あり。この時のリソース消費は以下のとおり
- 頂点
5110000 - 面
5010000 - 三角面
9700000 - メモリ
870.4MiB - VRAM
1.5/2.0GiB
やはり、VRAMが半分超えると厳しい模様(前回の記事参照)。20000スザンヌは落ちる可能性が高い(一応いけたが作業ができる状態ではない)。
4分の1(2500スザンヌ)に減らす
スザンヌの配列複製をX軸50、Y軸50に減らしてみた。
・・・
レンダープレビューモードのFPSは、あまり変わらない。
更に400スザンヌに減らす
やや軽くなったものの、厳しい。
100スザンヌに減らす
更に軽くなるものの、まだ厳しい。
25スザンヌに減らす
ギリギリ可能かな、レベル。
16スザンヌ
20FPS以上は出てると思う。なんとか作業できそう。この時のリソース消費量は・・・
- 頂点
8176 - 面
8016 - 三角面
15520 - メモリ
89.9MiB - VRAM
1.1/2.0GiB
まとめ 頂点1万以下が安定
マテリアルを当てると爆発的に重くなる。正確にはプロシージャルテクスチャのボロノイが重い。つまりCPUが足を引っ張ってる可能性あり。
ノイズ処理はそこまで重くないようで、ボロノイノードをカットしただけで、2500スザンヌ時でも16スザンヌ時より軽かった。
複雑なシーンには、プロシージャルテクスチャを極力使わない方が良いのかもしれない。
重すぎる時は、テクスチャベイクして置き換えるか、一度プロシージャルテクスチャノードをカットしてみるのも有り。