ソケットAM5のマザーボードが高すぎて眼中ゼロだったRyzen7000シリーズ・・・
AMD終了感すら漂ってきた2023年。4月頭にやっと、廉価版であるA620チップセットのマザーが出た(しかしロクに流通はしていない)。
ということで、改めて600シリーズチップセット(ZEN4世代)の差異を調査、自作PCの構成を検討。
600シリーズ(Ryzen7000番台用)チップセットの差異
最近のマザーはグレード差が大きい(NVMeやUSB3.2を多連装するせい、技術的には従来のCrossFire枠のレーンを使ってる模様)。
しっかり調査してから買わないとミスマッチが起きる。
あと型番のカオス具合がヤバイ。具体的には
ZEN第5世代のZEN4はRyzen7000番台CPUであり、AMD600シリーズチップセットが載ったソケットAM5に適合する・・・
という形態になっており、極めてややこしい。4-5-6-7番が同世代に同居するという酷さ・・・これ情弱の判断を失わせるためにわざとやってる疑惑がある(4500を出したあたりで疑惑深まる)。
まぁそんな感じなので把握は大事、してないと買えない。
公式
https://www.amd.com/ja/chipsets/am5
X670E
最強全部入り。
実売4万円~
最強大好きエンスー層向け。
ライトゲーマーには本気でいらない。むしろ無駄すぎて意味が解らないレベル。このブログがどの辺のスペックを狙ってるのかは以下の記事等を参照。
最強コスパPCを目指し Alder Lake自作用のメモ ~マザボ高ぇ・・・
Raptor Lake本命 i5 13500が出たので自作検討してみた
X670
実売4万円前後。
削減される機能は以下の通り。
- CPU直結のGPU用PCIeがGen4.0化(NVMeは変わらずGen5.0)
たったこれだけ(AMDサイト見る限りでは)だが、この違いは極めて大きい。
しかし、インテルは12世代のミドルハイモデル(H670 Steel LegendとかMAG H670 TOMAHAWK WIFI とかの2万前半のヤツ)でもGen5.0に対応してるんだが・・・どういうことなのだろうか。
本当にAMDのZEN4世代は微妙。
この価格で、なぜ選ぶ人が居るのか本気で解らん(相当な変態か信者か、若しくはそれらに煽られた情弱か)。
なお実際に、AMDの仕様通り、全機能を搭載するかはマザボメーカーによるため、更に削減されている事もある(以下同じ)。
B650E
実売3~4万程度。
これは、X670の下位モデルではない。X670Eの下位モデルである。
X670Eから削減される機能は以下の通り。
- PCIeレーンが44から36に削減
- USB 20Gbpsが2から1に削減
- USB 10Gbpsが12から6に削減
- SATAポートが8から4に削減
上記が削減されたところで何の影響があるのか不明であり、事実上の最上位クラス。
最上位のX670Eは「PC」という範疇から見ても、完全にオーバースペックだ。SATAが8あったところで普通のデスクトップケースには入らないし、USB 20Gbps多連装同時接続とか何をやるつもりなのか?
それもう、デスクトップではなくサーバー買った方が良いのではないか。
こういう、どうせ使いもしないのに盛りまくる、スペック厨を露骨に取り込むような戦略が嫌い。最近のAMDの方針は、かなり疑問(仮にフル使ったとして、安定性があるのかも疑問)。
パソコンのマザーに2万ですらどうかと思うのに、このスペックで3~4万はあり得ない。
本当に誰が買うのか? 誰向けなのか? わからん。
B650
実売23000円~
B650Eから更に削減される機能は以下の通り。
- CPU直結のGPU用PCIeがGen4.0化
- CPU直結のNVMeもGen4.0化
- GPP(汎用拡張用)も削除、だがGen5.0がオプションで付けられるという謎仕様(この記載、意味不明)
つまり、旧世代とほとんど同じ仕様。DDR5+LGAになった点以外、B550からほぼ変わってない。従って、これが本来は標準ミドルクラスなはずだが、ハイエンドとウルトラハイエンドが主流になってるという異常事態(初値の一番安いモデルが3万はイミフ)。
しかしこれが、現在未だに23000円~・・・意味が解らない。前述のとおり、同価格帯のインテル600シリーズならGen5.0対応でWIFIが載ったマザーが買える(DDR4だが、そっちの差は小さい)。
A620
2023年3月末に発表された模様。海外メディアが報じたASRockの85ドル~という噂を信じて為替を133円で計算すると約12500円~
B650から更に削減される機能は以下の通り。
- CPU直結のGPU用PCIeが1×16のGen4.0のみ
- CPU直結のNVMeは1×4で変わらずだが5.0オプションは無し
- PCIeレーンが36から32に削減
- CPUのOC機能が使えない(メモリは使える)
- USB 20Gbpsが削除
- USB 10Gbpsが6から2に削減
- 代わりにUSB 5Gbpsが2つ追加
ぶっちゃけUSB 20Gbpsは無くてもいいが(これはおそらくUSB 3.2 Gen 2×2というヤツで、Thunderbolt ではない)、有った方が良いのは事実。プライスダウンは当たり前だ。
GPU用PCIeは、定格運用ライトゲーマーレベルなら1本あれば十分なので、B650の存在意義がほとんど無くなった感あり(ハイエンドのX付きCPUを狙って買う層が、5.0削除されたE無しを買うとは思えない)。
グラボ用のPCIeがGen5.0ではない件も、有った方が良いのは事実。多少の価格アップで付くなら欲しい。3年後、ミドルグラボはデフォx4、その下はもうx1とかで出る可能性すらあると思う(Gen5のx1はGen1のx16相当)。
その時に4.0だと詰む。だから当然その分、プライスダウンはしてほしいのだが・・・仮に12500だったとしてもこれは・・・選択肢に入らないような。
1万円切ったらなんとか。って感じか。しかし個人的には14800円~くらいかと予想してる(19800だったらZEN4は終了確定)。
なんかもうこの時点で機能の割にクソ高すぎて、買う気が起きないのだが。一応構成を考えてみよう。
AMD A620コスパ優先構成
目標スペックは、Core i5 13500の時と同じくUnreal Engine5が底辺で動くこと。
現状、下記のマシンで動かせてはいる。
現在使ってるPCの構成
スペックは以下の通り。
- CPU AMD Ryzen 7 2700(ZEN+ Pinnacle Ridge)
- マザーボード B450
- メモリ DDR4‐3200 32GB
- ストレージ PCIe3.0x4 NVMe 512GB
- グラボ Radeon RX 570 8G
- 電源 650W
- ケース Thermaltake Versa H17
2019年当時 合計 60000円程度(グラボも込み全て新品で)だった。
定格でCINEBENCH R23が9000、PassMarkが15000程度、低電圧設定+VRAMをOCでFF14暁月のフィナーレベンチ2560×1440最高品質で6435。
概ね2016年発売までのゲームなら全てプレイ可能(FHD以下同じ)。2018年までなら最高設定寄りでプレイ可能。2020年までならプレイは可能。2022年はかなり設定落とせば可能。2024年は30FPS割ってくると予想(以下予想)。2026年は事務機なら可能。2028年は厳しい。2030年ゴミ(その前に壊れると思うが)。そんな感じのスペック。
だが、CPUの選択肢が1つしか無かった
上記マシンからの変更&A620前提のため、CPUの選択肢は全て挙げたとしても以下の4つしかない。
- Ryzen 5 7600 BOX(Wraith Stealth)
37000円 - Ryzen 5 7600X BOX(無し)
32000円 - Ryzen 7 7700 BOX(Wraith Prism)
52000円 - Ryzen 7 7700X BOX(無し)
47000円
CPUクーラー候補(無し用に追加で必要)
- DEEPCOOL AK400
3000円 - サイズ 虎徹 MARK3
3600円
※個人的に信用してるショップの在庫価格、2023年4月15日現在。毎回書くが、CPUはマジで偽物が存在しているため信頼している専門ショップ以外で買ってはいけない。
Ryzen 9以上は選択できない。A620だと電力不足でパワーが出せないのと、出したところで熱対策が厳しくなるから。
無印BOXがなぜかいらない子
Ryzen 5 7600 BOXは完全にいらない。
付属のWraith Stealthクーラーは普通のアルミフィン小型タイプなのでRyzen 5 7600Xとの差額を埋める価値は無い。Ryzen 5 7600X+AK400で定格運用した方が安くて冷えると思われる(やってみないとわからんが、この方がほぼ確実に冷えるだろう)。
Ryzen 7 7700 BOXは微妙なところだが、Wraith Prism VS AK400だとAK400の方が冷える気がする(こちらは微妙)。同じくこれも5000円差を埋められるのかは疑問。
そして、Ryzen 5 7600Xを定格で動かしたところで、そこまでのパワーは望めない(PASSMarkで28000程度)。OC前提で売ってるX付+A620マザー定格運用でパワーが出るのかと言えば未知数だ。選択として悪くは無いと思うが、35000円では厳しい。i5 13500に全く勝てる気がしない。このため却下せざるを得ない。
ということで、Ryzen 7 7700X BOXしか選択肢が無かった。
構成
具体的に脳内でパーツを組んだらこうなる。
- CPU Ryzen 7 7700X BOX(クーラー無し)
47000円 - クーラー DEEPCOOL AK400
3000円 - マザーボード ASRock A620M-HDV/M.2
未発売(12500円と仮定) - メモリ crucial CT2K16G52C42U5(DDR5 PC5-41600 16GB 2枚)
14000円 - ストレージ PCIe3.0x4 NVMe 1TBの適当に
7000円 - グラボ Radeon RX 570 8G
流用 0円 - 電源 650W
流用 0円 - ケース Thermaltake Versa H17
流用 0円
合計 83500円
※メモリが動作リストに無いため、ワンランク上を買っておく(最悪、定格に落とせばいけんじゃね説)。まぁ実際は、買う前にネット検索かけて実績ありそうな最安モデルを買うと思うが。
まとめ ZEN4やはり微妙すぎる
どう考えても・・・Core i5 13500 BOXで組んだ方が良い。
UnrealEngine5用に自作PC構成を考えてみた2023
もしA620最安マザーが15000円を超えてきたら確実に選択肢に入らない・・・いや、12500円でも微妙だ。差額でMAG H670 TOMAHAWK WIFIあたり買った方がだいぶマシだ。
しかし、無印のRyzen 7 7700 BOXが何故あんなに高い(というか強気)のだろうか? インテルの設定から見れば、せいぜい38000円くらいが限界ではないか?
一体何を考えているのだろうか、AMDは・・・もはや自作erの味方では無いのだろうか?
もう廃ゲーマーだけ付いて来れば良いと思っているのだろうか?
Am5x86時代あたりから買ってる自作派としては、ZEN4、かなーりガッカリだ。
個人的にはX3Dとかじゃなくて、Ryzen 5が12コア24スレッド、Ryzen 7が18コア36スレッド、Ryzen 9が24コア48スレッド、Ryzen 5GがCPU6コアGPU24コア、みたいなラインで突き進んで欲しかったな・・・