そろそろサブ機(IvyBridgeのi7)を引退させたいと感じてる昨今。
Alderlakeが優秀すぎてRyzen 5000シリーズ完全終了したっぽい空気感が漂ってきた2022年春、インテルCPUで自作を検討。チップセットの差異から調査。
結論から言えば、B660+i5 12500 BOXのセットがコスパ高く現状ベストだけど、同じくコスパ最強世代であったZEN+使いには微妙だな。と。
インテル12世代チップセットの差異
毎度の事だが、12世代でまたLGA1700に変更。対応チップセットは600シリーズに。
公式のスペック一覧はこんな感じだが・・・
Intel® 600 Series Desktop Chipsets
見にくい・・・これ見ただけでは、とても買えない。
マザボメーカーや販売系各種Webサイトなどで個人的に調査した結果、把握できた差異は以下のとおりである。
Z690
最強全部入り。とにかくコレを買っておけば間違いない(サーバー、トップクラスのクリエイター用途は除く)。
ただし、良くわからんレベルで高い。
シンプルなモデルで実売2万円~
ASRock Z690M Phantom Gaming 4(amazon)
買うならこのへんか・・・でも要らない。
H670
Z690からの変更点は
- 詳細なオーバークロック不可
- USBとPCI-Express3.0の数が削減
スペックほとんど変わらず。「K」タイプのCPUを買わない限り、Z690を選ぶメリットは無い・・・と思っているのだが、インテル公式には Supports Overclocking YES となっており、これが何を意味するのか良くわからない(Power Limitの変更可否か? インテル語難解だわ)。
まぁ、どちらにせよ普通の人(CPU定格運用)は事実上、これが最上位グレードになる。
発売から数ヶ月経ってZ690の価格がこなれてきた感があり、価格差はあまり無い(20-30%程度)。でもZ690とか無駄なので買いたくない。どうせまたソケット変わるし。
実売2万円弱~
でもこのグレード、あまり買うメリット無いなぁ・・・
B660
H670からの変更点は
- USBとPCI-Express(のレーン、分割)数が更に削減
- DMI4.0のレーン数が8→4に削減
DMIのレーン数がどの程度影響するかは未知数だが、4.0は旧世代3.0の倍の速度がある。半分になったところで個人のデスクトップ用途として考えれば十分すぎるスペック(GPUとメモリがCPU直結になった今、もはやどうでも良いのではないか。DMI⇔インターフェースの接続状況についてはインテル公式のブロックダイヤグラムを参照 https://www.intel.com/content/www/us/en/products/platforms/details/alder-lake-s.html
USBポート数とPCI-Express のレーン分割機能は個人用途なら「どうでも良い」と言い切れる(どうせ一般向けマザーの拡張スロットは多くても4基、てか実質2基)。
価格も突然下がる。
実売1.2万円~
買うならこれか。M.2もGen4とGen3とWiFi で3つ付いてるのが良し。一部にGen3スロットしかないモデルがあり注意が必要。
H610
B660からの変更点は
- メモリのオーバークロック機能が削除
- メモリ搭載量が128GB(4枚)→64GB(2枚)に削減
- CPU接続のPCI-Express5.0対応がx16のみ、チップセット側は3.0のx8のみ
- USB 3.2 Gen 2×2 (20Gb/s)が削除
- SATAのRAID 機能が削除
- ディスプレイ出力数が削減 4→3
- Intel Optane 機能が削除(ハイブリッドHDD的な機能)
突然の大量削除。
メモリのオーバークロック機能の削除は大きい。まぁ、DDR4 3200で動けば十分かなとも思うが、上下調整幅があるに越したことはない。
メモリ搭載量は特に問題なし。128GBは時期尚早。2022年現在、やっと16GBが主流になり始めた程度であり、5年以内に64GBオーバー(4倍)が標準化するとは思えない。その頃には絶対にLGA1700が終わってる。というかDDR5に切り替わってるはず(現状H610でDDR5のモデルは売って無い)。
PCI-Express4.0削除が最も絶妙なグレード設定か。本機能は実質的にNVMeSSDの進化具合に依存してる。2022年現在だとMAX8000MB/sは確保しておきたいところだが、理論上3.0のx8だとギリ。M.2はx4動作だから8000MB/s出すためには4.0以上が必須。しかし、H610はCPU経由の5.0が1×16だけなので不可能。グラボ+3.0仕様のNVMeSSDでほぼ拡張の限界に達する(ただしマザーの実装状況による)。
USB 3.2 Gen 2×2は無くても良いけど、有ったほうが良いのは間違いない。
SATAのRAIDは、こんなもん個人はもう必要ないだろう。冗長化はクラウドストレージまかせで良し。
ディスプレイ出力数はどうでも良い。本気でマルチモニタが欲しいならグラボ(安Quadro、Tシリーズなど)買った方が良い。
現在の状況
Intel Optane はもっとどうでも良い。
問題は価格、書いてる時点で1.2万円~と、機能削除の割に安くない。このスペック、適正価格は5500円くらいなんでは。
選ぶ意味、皆無なんじゃ・・・H610、何で出したのだろうか?
本当は5000円くらいだけど、ボッてるのだろうか?
B660 で確定
これ以外を選択する意味は無し。
特にH610は完璧に意味ない。2022年1月頃は若干価格差があったけど、3月現在ほとんど無くなった。
たとえ2000円差だったとしても、メモリオーバークロック機能、USB 3.2 Gen 2、PCIe Gen4 のM.2スロットは有ったほうが良い(ただし実装するかはマザボメーカー次第)。
CPUの差を調査
12世代のインテルCPUの商品展開、一般向けをざっくりまとめると3タイプある(2022年3月現在)
- Kシリーズ
オーバークロック対応 - Fシリーズ
GPUレス(追加グラボ必須) - 無印
定格動作GPU付き(標準品)
いらない子認定の型番
上記3シリーズを基本に、周波数、グレード(3,5,7,9)毎に複数商品があり、複雑化路線を突き進んでる。
その中で「これは無いな」というモデルがいくつかある。
原則定格動作派のライトゲーマー的にマッチしない製品は以下の通りである。
- Kシリーズ全て
i5 12600K、i5 12600KF、i7 12700K、i7 12700KF、i9 12900K、i9 12900KF - Fシリーズの下位モデル
i3 12100F、i5 12400F - 無印のi9
i9 12900
ぶっちゃけインテルのKシリーズは存在意義が良くわからない、価格割増だったらワンランク上のCPUを買えば良いのに、といつも思う(あくまでインテルの場合、AMDはOC前提で売る感があるため別)。
i3でFシリーズもさっぱり解らない。i5の下位もややどうかと思う。マルチコア対策が不十分かつ、グラボが安かった数年前ならアリかもだったが、現在は単コアブーストでゲーム爆速化するフェーズは終わった感あるし、グラボも高い(深読みすれば、ARC Alchemistのミドルロークラスがi3に合わせ1万くらいで出るのかも)。
ハイエンドグラボ使用で今後ボトルネックになる可能性がある4~6コアのFシリーズを、今あえて買う必要性はほぼ無い。特にUHD700シリーズはAV1のデコーダーが入ってるため手持ちの旧世代グラボを差すならGPU付きを選んだほうが良い(現代のOSは同時使用できる、ただしこれもマザボの実装による)。まー、RTX3000シリーズかRX6000シリーズ持ちなら別だが、この御時世にライトゲーマーが持ってるわけ無いし、持ってたらバランス的にi7に行くしか選択肢は無い。
i9は消費電力が高すぎて即却下だ。CPU単体でMTP(また表記変わったよ・・・)200W超えはヤバイ。これ選ぶと、他パーツの選択が狭まる(電源、マザー、グラボ、ケース)。
残った候補 4つのみ
- i3 12100 BOX(実はRyzen7 2700 並)
- i5 12500 BOX(↑性能1.3~1.4倍)
- i5 12600 BOX(↑性能微増)
- i7 12700 BOX(↑性能1.4~1.5倍、i3 12100比で性能2.1倍)
※性能はネットにある各種ベンチを見てざっくり独自判定した。パーツ構成により異なるため鵜呑みにするべからず。
i5 12400 はUHD730なので選ぶ意味無し(価格状況によるが、ここを妥協するならi3 12100 で良い)。UHD770は730の1.5倍程度速い模様であり、性質がかなり異なる。770は歴代インテル内蔵グラの割にはかなりのポテンシャルあるげ。古めのゲームならメモリOCすればGTX750Tiチョイ下くらいのスコア出るんじゃね? と過度な期待をしてる(←さすがに無いだろうか)。
この点からも、マザボのメモリOC機能は欲しい。内蔵GPUはメモリ速度がモロに出るから。
現在の構成と変更案
ここから先の話、具体的にどのCPUを選ぶのかは、個々人が現在運用しているマシンによる影響が極めて大きい。
ということで、超個人的なメモレベルである。現状を晒すと以下の体制だ。
メインPC(2018-2019モデル)
- CPU AMD Ryzen 7 2700(ZEN+ Pinnacle Ridge)
- マザーボード B450
- メモリ DDR4‐3200 32GB
- ストレージ PCIe3.0x4 NVMe 512GB
- グラボ Radeon RX 570 8G
- 電源 650W
- ケース Thermaltake Versa H17
定格でCINEBENCH R23が9000、PassMarkが15000程度。ここから軽くOCしただけでけっこう伸びるため、DirectX11世代ゲーム(概ね2010年代前半)ならフルHD最強設定で余裕。
参考までにFF14暁月のフィナーレベンチ2Kで6435(2560×1440最高品質、軽く低電圧化チューニングしてVRAMをOC)。
所有している最も新しいゲームかつ重めなのはHitman3なのだが、同じく2K(2560×1440で全て最高側に設定)のドバイで42FPSと微妙なライン。
アルゼンチンは人多すぎなため耐えられないレベル。品質落としてプレイしてる。
なお、DirectX10時代の3DMark Vantage的にはExtream設定でGTX 970相当の判定と出た。
このパワー感、CPU選択的にはi3 12100でほぼ同等なレベルに到達するようだ。4コア8スレッドなのに8コア16スレッドのRyzen7 2700と5%程度しか差がないというメガ進化具合がヤバイ(ただしあくまでベンチ上であり、アプリの多コア最適化が進んだ現在、体感差はもっと出るはず)。
まだ4年しか経ってないのにね・・・いつもながらとんでもない進化速度。マイニング収支計算で5年後まで想定してるヤツ居るけど、有り得なすぎて笑う。
サブPC(2012-2013モデル)
定格でCINEBENCH R23が3600、PassMarkが6300程度。
- CPU core i7 3770(Ivy Bridge)
- マザーボード B75
- メモリ DDR3-1600 32GB
- ストレージ SSD SATA3 120GB
- グラボ GeForce GTX 750 Ti(GDDR5 2GB)
- 電源 500W
- ケース ACER M3985
お察し性能。2017年くらいまでならなんとか戦えたが・・・アサシンクリードオデッセイで「そろそろ厳しいかも」と感じ始めた(グラボRX570でも)。
これらを踏まえてリプレイスプランを検討。
プランA メインを新調してRyzenをサブ化
この場合、i5 12500 では微妙。i7 12700に行きたい感じ。まぁ価格によるが・・・
ということで、各社ネット通販サイト※を徘徊、CPU、マザボ、メモリの3点セット購入を脳内シミュレート。
- CPU core i5 12500 BOX
約26500円 - マザーボード ASRock B660M-HDV
約14000円 - メモリ DDR4 PC4-25600 8GB 2枚(Ballistix BL2K8G32C16U4B)
約7000円
合計 47500円
i7 12700にすると+18000円増の約65000円。
メモリはサブ化したRyzenマシンに差す用。8GBで良い気もするが2000円程度しか差はなく割高感があり、あえて選ぶのは微妙。
Ryzen 7 2700→core i5 12500だと速度アップは1.3倍程度と思われ、それに5万の投資はコスパ微妙か。Ryzen 7 1700からだったら迷う余地は無いのだが、2700からだとやはりi7 12700に逝っときたい感じ。
※個人的にPCパーツジャンルで使う店は、ドスパラ、ソフマップ(Bic、コジマ)、ツクモ(ヤマダ)、NTT-X、ノジマ(PCデポ)、Joshin、ヨドバシ、ZOA(OAナガシマ)、アマゾン(公式販売発送品のみ)あたりまで。パーツはマジで偽物が存在するため、信頼できる専門ショップ以外で買ってはいけない。また、CPUとHDDは製品の特性上バルク品や並行品がけっこう混じるため、ポチる前に細心の注意が必要だと思ってる。
プランB サブだけ交換
i3 12100が軸になる。
- CPU Core i3 12100 BOX
約17000円 - マザーボード ASRock B660M-HDV
約14000円 - メモリ DDR4 PC4-25600 8GB 2枚(Ballistix BL2K8G32C16U4B)
約7000円 - ストレージ NVMe 1000GB Gen3(WD WDS100T3G0C)
約10000円
合計 48000円
ストレージはRyzenマシンに使う。そして512GBをサブに流用。このためGen4は不要。
Ryzen5000シリーズの値崩れ狙いプランとも言う。ZEN2とZEN+の時と同じく、ZEN4が実際に出る段階になったら5000シリーズが投げ売られる可能性が高い。
というか既に5800Xが3万円台後半射程に入ってきてる。この流れ、無印の5700か5800が出て2万円チョイくらいになる可能性は割と高いと見てる(円高の進行によるが)。
でもマザボ高すぎてスルー確定
なんちゅうかね、とにかく下位マザボが高すぎ。
本音で妄想書くと、プランBが・・・
- CPU PentiumGold仮 (Eコア2、Pコア2、6スレッド+UHD710 的なグレード)
願望価格7000円 - マザーボード H610(PCIe 4.0 1×16+3.0 1×4 NVMe SATAx2)
願望価格5000円 - メモリ DDR4 PC4-25600以上 32GB 2枚
願望価格18000円(Ryzenマシン用、32GBを流用) - ストレージ NVMe 2000GB Gen3(WD WDS100T3G0C)
願望価格15000円(同上)
みたいになったら良いんだが・・・とか思ってる。
夏くらいには、こうなってないかなぁ・・・円安ドル高だから無理かぁ。
パーツ選び、大変参考になりました。
4月に値上げされる予感が強いので、今月中にCPU、マザボ、メモリを買おうかと思います。
そして漸くインテルグラボが発表されました。
生活必需品やらが上がると、むしろPCは下がりそうな気もしますが。特にミドルハイクラスは。
無くても大丈夫っちゃ、大丈夫なんで。
まぁでも「買いたい時が買い時」なんで・・・止めはしませんが。自由ですし。
個人的にはインテルグラボの期待度がまた上がってしまいスルーが確定しましたね。
50WクラスのARC3-A370Mですら、Hitman3のFHD、Midiumドバイで61.6fps出てるんで(Roger D. Chandlerが語る動画の5:30~)。
更に言えばXeSS(とRSR、DLSS)とかの、AI補完サンプリング系に期待が極大なんですよね。これ、脳筋パワーゲーマーの皆さんはいまいち解ってない人が多そうな印象(というかハイエンド売りたい内部関係者が情報発信してるからだと思うが)ですが、Blenderのデノイザー使った個人的感想を述べれば「あ、これヤバイわ」「世界変わるわ」、て感じですね。
パワーで攻めてる旧世代かつ電源必要なGTX1660クラスは夏までに完全ゴミ化する恐れがありますよ。少なくともRX6500XTはゴミ化確定ですし(まじで何で出したのかなアレ 過去記事)。
そんで、この感じだと高確率でレノボかデルあたりがA370Mオンボードの超小型省電力ゲーミングPCとか出してくると思うんですよ(Tiny/NANO)。
個人的にはそれ待ちですかね(価格連動で下落するため)。
返信ありがとうございます。
>生活必需品やらが上がると、むしろPCは下がりそうな気もしますが。
なるほど、実際注文した後にメモリが少し値下がりしました。私はとにかく「4月になったら値上がりする」と思いこんでました(汗
i7-2700kからi5-12600にアップグレードでしたので、動画視聴やブラウザゲームが大変快適になった気がします。
Sandy~Haswell民でSkylakeとRyzenをスルーしたケースは今回(AlderLake)、値下がり待たずに即買いで良いと思いますね。
KabyLake~Rocket Lakeは絶対10年はムリだよな感が出てましたけど、AlderLakeは最低5年、もしかしたら10年いけるかも感が出てますから。今、i5以上を投入しとけば超ライト層(ブラウザゲーム派)なら2030年くらいまでは行ける可能性ありますし。
まぁあくまで、「可能性」かつ「我慢できれば」ですが・・・個人的には我慢できなくてどこかのタイミングで買っちゃうけど。
結局Skylakeも買ってますからね(サブで)。さすがにKabyLake~RocketLakeはスルーしましたが。実際にKabyLakeのi7より現行i3の方が速いみたいなんで、予感は的中したわけですW