無料なのにものすごい機能のBlender。色々と遊ぶのには最適なツール。
しかし機能がありすぎて使いこなせていない。複雑なオブジェクトを作成すると、どうしてもレンダリング時間が延びてしまう。
少しでも短縮したいときに使えそうなテクニックや設定を解る範囲でメモっておいた。
※間違っている可能性や見当違いな事を言っているかもしれない。鵜呑みにしてはいけない。公式サイトのドキュメント熟読を推奨。
はじめに
Blenderの標準レンダーを使用する。
※この記事は古い。標準レンダーは廃止されEeveeに置き換わった。
Cyclesレンダーの設定は別記事参照。
動作環境
- Blender Ver2.71 日本語環境
- Blenderレンダリングエンジン
- Intel core i5 3470 搭載マシン
※環境や利用している機能により大幅に変動する。
PCの設定は最重要
お約束のアレ
- 常駐ソフトを切る
- オーバークロックをしない
- 他のソフトを立ち上げない
- CPUの冷却がしっかりできているか確認(ほこりのつまり等)
Blenderにおけるマシン性能は、CINEBENCHの値が一番参考になる。
2014年現在、BlenderレンダーはGPGPUに対応していないためグラフィックボードは問わない(CyclesレンダーはNvidia製のCUDA対応ボードが必須)。
連続して高負荷がかかるため、一発の速度よりアベレージを上げた方が良い。
マルチコア化やメモリ増設が効果的。しかし、Blender側が最適化されていない可能性もあり過剰な投資は禁物。Corei7あたりが無難。なお、ネタで組んだOpteron 3280(8コア)はイマイチだった。
主な設定項目
レンダリング速度の変化が大きいものは以下のとおり。
レンダー コンテキスト
「プロパティウインドウのヘッダーにあるコンテキスト ボタン」と公式では呼んでいる(レンダーコンテキストボタン=カメラマークのボタンのこと)。
寸法 パネル
単純計算すると、縦横2倍で計算量は4倍になる。
解像度を適切に調整する。
アンチエイリアス パネル
控えめにしたい。
5と16で時間差は50%程度。しかし品質の差は少ない。ボックスフィルタが若干速いようだ。数%程度の差だが。
フルサンプルの影響は数%程度。
シェーディング パネル
SSSが重い。1オブジェクトあたり10%程度の差。
レイトレーシングはオブジェクトの数やパラメータに依存するが数十%程度の差が出る。
パフォーマンス パネル
スレッドは自動検知が基本だが、Opteronなどは増減させると変化が大きいときあり。
タイルサイズを細長くすると左右端部分が各コア間のバッファのようになり数%速くなる。(左右端まで複雑なオブジェクトが映る場合を除く)
シーン コンテキスト
影響が大きいのは細分化と三角形化のスキップ。
AOを使う場合はこちらの設定を下げたほうが影響が大きい。最大50%程度変化する。
ワールド コンテキスト
同じく変化が大きいもの。
AO、環境照明、間接照明 パネル
とにかく重い。計算量が数倍になる感じ。
ギャザー
近似モードは品質が変わりすぎて使いにくいためレイトレースモード必須。
減衰距離とサンプル数をある程度とらないとノイズが多いため使い物にならないが、これらは非常に重い。最終出力時以外はオフ推奨。
モディファイヤ コンテキスト
Subsurfは計算量が爆発的に増える。
細分化は2以下で利用したほうが良い。
マテリアル コンテキスト
シェーディング パネル
放射を設定すると数割重くなる。
透過、ミラー、SSS パネル
AOの影響がかなり出る。
SSSはエラー値を高くすることで高速化できる。0.4程度なら問題は少ない。
ストランド パネル
計算量が本数に比例する。できるだけ太くし本数をパーティクルコンテキストで調整するのがベターか。
テクスチャ コンテキスト
テクスチャでの計算は総じて軽い。
非力なマシンは可能な限りテクスチャで表現すると良し。
パーティクル コンテキスト
発生個数に計算量が比例する。
発生量を少なくすると速い。しかし使う必要性が薄くなる。非力マシンでパーティクルは厳しい。
物理演算 コンテキスト
別途計算が必要になる。レンダリングとは別枠で重くなる。
単純な仮オブジェクトで動作を確認したあと、最終段階にて実際のオブジェクトへ適用したほうが良い。