Ryzen7 8700Gで自作を検討してみたが・・・超期待外れな価格で無理

延々と中古パーツ(ゴミ)で延命し続けているサブマシン。

富士通ESPRIMO WD2/SにRX570をムリヤリ搭載する

現在のメインマシンを組み替え、サブと入れ替えるタイミングを探っているのだが・・・2020年以降、検討しては辞めるの繰り返し。

原因は、コロナでパーツ爆騰からの円安のせい。

Ryzen5 1600AF出たのでもう一台組む・・・のヤメター

Raptor Lake本命 i5 13500が出たので自作検討してみた

そして2024年、やっとRyzen8000G(PhenixコアのAPU)が出た。

ということで、検討してみたが・・・また却下。まぁ、だからグラボ買ったとも言う。

2024年始 ついにグラボ(RX6650XT)を買う さらばRX570

Ryzen8000Gシリーズとは

素人のイチ自作erが調査した結果を、ざっくり適当に述べれば、AMDのGPU(グラボ)機能入りCPUである。AMD的にはAPUと呼んでいるシリーズ。極めて雑に言えばPS5に乗ってるヤツのPC版。

対抗はインテルのCore iシリーズ(F無し)。

昔からAMD(というか元々はATI Radeonで別チップがマザーに乗っていた)はグラフィック機能を強化する傾向にあるが、近年インテルも本気で強化してきており差は縮まっている(ただしAMDが優勢、nvidiaはx86CPUの製造ライセンスが無いため撤退状態、てかたぶんもうx86眼中に無い、VIAは中華大陸で製造しているらしいが詳細不明)。

この系統の最新が、Ryzen8000Gシリーズ。

今回はグラボ不要を強力に推している模様(7000シリーズGPUはカス性能だった)。しかしながらこのAPUは既に去年、モバイル用の7040シリーズ(ほぼパワーは同じ)というのが先行して発売されており、今更感は拭えない(これはデスクトップよりモバイルを優先している事を明確に意味する)。

という感じで軽く調査したところ、8000Gシリーズのスペック(世代)はこうなっていた。

  • コア世代
    ZEN4(Phoenix1)、ただし下位モデルはZEN4c(Phoenix2)混合
  • 製造プロセス
    TSMC 4nm FinFET
  • 搭載GPU
    7x0M(RDNA3)

AMD公式
https://www.amd.com/en/processors/ryzen

Ryzen7 8700G
https://www.amd.com/en/products/apu/amd-ryzen-7-8700g

性能の差異

グレードにより、差異が非常に大きいため注意が必要。

一部にやたらと低価格をアピールしてる勢力が居るが、コアの構成が上位と下位で全く異なり、もはや別物だ。8500G以下はZEN4cが混ざる上に、搭載GPUが740M(4CU)と極めてショボい、これは買う意味があるのか? 異常に疑問。

しかも下位に採用されてるPhoenix 2コアはPCI Expressが10レーンしかなく、CPU直結が4.0×4な模様、ミドル以上のグラボ増設は困難(こういう情弱を引っかけるような事をする、AMDの方針が極めて疑問、Radeon 6500XTとかRyzen5 4500は酷かった)。

そもそもRDNA3が疑問だらけ

ZEN4+TSMC 4nm FinFET採用は、順当に進化した模様だが、一番のウリであるはずのグラボ部分の、RDNA3に最も疑問があるという罠。

RDNA2との差異はAIアクセラレーション以外特に見つからないのだが、このAI機能にどれだけ有効性があるのかが、かなりの謎。何がどれだけ違うのか謎。本当に誰か教えてほしい。

少なくともAIを使わないアプリでは、ほぼ無駄になるとしか思えない(FSR非対応の旧世代のゲームなど)。各方面では、やたらとアピールしているものの、よく見るとRDNA3世代の最新機能が盛られているのは上位モデル(のグラボ)のみであり、ミドルから下位はどう見てもRDNA2とほとんど同じにしか見えない(実際に6650XTと7600でゲーム性能の差がほぼ無いという結果をよく見る)。

本当に個人的な見解だが、APU的にはRDNA2と3の差は、製造プロセス進化による省電力化以外、特に無いのではないか? 一部にやたらとヨイショしてる勢力が居るが、非常に疑問だ。マジで誰か教えてほしい。

というか、APUの件でチップレット設計やMCDやInfinity Cacheに起因する「RDNA3最強論」をアピールされても意味は無く、そういう記事が本当に疑問だ(巧妙にミスリードを誘う書き方もあり、もはや悪質ではないか?)。

それと、Ray tracingの件も、現時点であれをアピールされても、12CUではどうしようも無い。誰かが言っていた、現世代の半導体技術ではリアルタイムRay tracingは無理だという理論。あれを先日、6650XT(32CU)を買って確信した。

所有ゲームで対レイトレチューニングが強烈に効いてるのは、Hitman3のアンブローズ島しか無いのだが、当該タイトルの体感で言えば、80CU+Infinity Cache 128MBのRX6900XTが底辺だと思われる。

まずメモリ量が圧倒的に足りない、アンブローズ島の場合、全項目最低にして、FSR2使ってもギリギリという始末。RX6650XT GDDR6 8GBでは全く足りない。FHD最低画質寄りですら足りないから、おそらく12GBでも足りない。

ということで、レイトレはミドルクラスだと早くても次々世代~。APUで使えるようになるのは、あと10年はかかると思われ、考えなくて良い(特定の対応アプリを使う場合は除くが、それはnvidiaグラボ買うでしょう)。

従って、巷で謎にアピールされている・・・

「最新ゲームのプレイ」は、これを買ってもできないし「グラボが不要」にもならない。

という前提にて、組む目標となるスペック(用途)を考えよう(まぁ結論から言えばサブ用途だが)。

PCを組む目的(用途)が大事

なぜPCを組むのか? これは最も重要。

ブレると、沼にハマる。見失って組むと、いきなりゴミ爆誕である。

用途はしっかり考えなければならない。

まず、要求スペックごとに、ざっくり8段階に分けて考えよう。

  1. ネット閲覧用
    ネット検索、動画鑑賞等
  2. 事務用
    経理、エクセル、ワード等
  3. 超ライトゲーマー用
    主戦場ブラウザゲーム、Steamは入れない
  4. ライトゲーマー用
    ゲームはやるけどPCが主戦場ではない
  5. ミドルゲーマー用
    ゲームはPCでやりたいが勝たなくて良い
  6. 廃ゲーマー用
    ゲームで勝つためにPCを買う
  7. クリエイター用
    仕事で使ってる
  8. マニア用
    ベンチマーク( ゚Д゚)ウマー

まず、1番と2番の間に壁がある。

2024年現在、1番の用途にPCは不要になった。従って、Ryzen8000Gは不適。スマホ、タブレットでいい。最強を求めても、せいぜいRyzen7640HSのノートか小型PC+サブモニターで良い(てかインテルCPUの低グレード品で十分)。

2~3番までは内蔵GPU(APU)で十分。スペックは最低限で良い。

次の

4番と5番の間の壁

この壁が最も大きい。

4番ライトゲーマーのうち3番寄りは、X-BOXかPS5を買った方が幸せになれるだろう。しかし5番寄りで壁を超えるためには、グラボが必須(あくまで体感だが、2024年の底辺はGTX1660SuperかRTX3050 6G)。

5番ミドルゲーマー用途には、明確にグラボが必要。内臓GPU+DDRメモリと、グラボ+専用GDDRにはどうやっても超えられない壁があり、やりたいゲームがPCで存在する場合、グラボを買う以外の選択肢は無い。

ということで、5番より上は確定でグラボ買うため、Ryzen8000Gは不適。あり得るのは8番のマニアが遊ぶ用のみ。

つまりRyzen8000Gシリーズに最も適しているのは、3番以上だがゲーム機がない、4番手前、3.5番位置程度のユーザー用途がベストだろうか。

これ実は、メッチャ幅が狭いのである。

なお、管理人は5番寄りの4番に位置しており、いつも悩むが、結局グラボ買ってしまう派。

従って、サブ機の事務+超ライトゲーム用途とし、若干8番要素を加えて検討している。

パーツ構成の条件

AMDチップセットの差異は過去記事を参照。

やっと出たAMDのA620(下位マザー) Ryzen7で自作を検討

前述の用途に、最低限欲しい機能は以下の通り。

  • マザーボード
    A620で良いが、デジタル映像出力が2つ以上欲しい
  • CPU
    8700G以外の選択肢無し。8CUではいくら盛ってもRX560に勝てるかすら怪しい
  • メモリ
    32GB-DDR5-5600以上は必須(内臓GPUはメモリ速度がモロに出る、容量も食われる)
  • SSD
    1TB(手持ちマシンの512GBと入れ替える)
  • ケース
    最安の品でも良いが、流用で良い
  • 電源
    500Wは欲しい
  • OS
    とりあえずUbuntu(Windows10は旧verのキーでは認証が通らなくなった模様)

事務用途は、もう2画面無いと厳しい。

CPUパワーは、8700Gでi5 14500程度なので、インテルにボロ負けてる。8600G(6コアのL2 6MB+L3 16MB)で、i5 14500(6+8コアのL2 11.5MB+L3 24MB)に勝てるのかすら謎。

メモリはゲーム動かした時点で、VRAMが数GB+ゲーム本体が数GB+OSが数GB行くから、4+4+4でも12GB、4+6+6で16GB。32GB無いと足りない(なお前述のHitman3 を6650XTで動かした時、最低画質寄りにて4+6+6程度、グラボ有なら16GBで足りるが、内蔵GPUでは足りない)。

SSDは大容量不要だが、どうせなら1TB 買う。電源も500Wも要らないが、どうせなら予備で買う。

OSは新規で買うと価格的にメリットが無くなる。

という方針でパーツ選んでみた。

最終検討結果

  • マザーボード
    ASRock A620M-HDV/M.2
    14500円
  • CPU
    Ryzen 7 8700G BOX(Wraith Spire)
    55500円
  • メモリ
    ESSENCORE KD5AGUA80-56G460D(ASRockリストに有)
    13000円
  • SSD
    キオクシア EXCERIA G2 SSD-CK1.0N3G2/J
    6500円
  • ケース
    流用
  • 電源
    玄人志向 KRPW-BK650W/85+
    8500円

合計 98000円

やっぱり、話にならん。ZEN4は終わった。ZEN5に期待。

まず、マザーが高すぎる。このグレード帯せめて6500円くらいで買えないとメリット無い。Ryzen 7 8700G BOXも高すぎる。そもそも同価格でRTX3050+i5 13500が組める(DDR4+B660でいけるから)。

というかPS5かXBOX買った方が・・・

あと電源だが、5000円以下帯のモデルにヤバイ香りしかなく・・・だったらもうKRPW-BK650Wいった方が良いかなと。

・・・いう感じで、このクラスを組むのに必要な要件を揃えたパーツ(それなり品質の350W級電源、最低グレードのマザーボード、安メモリ)が無さすぎて、もう自作は無理。

MINISFORUMとかBeelinkとかGMKtecあたりの安中華7840HSマシンの方が良いでしょう。パーツで組んだら完全に保証無いし。

マニア以外、リスク犯して組む意味が全く無い。

非常に残念だが、この領域で自作PCというジャンルは終わったのではないか。


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